講義概要(外交、外務省について)

20回生 佐藤重和

(実際は、出席者の関心、質問に応えてお話ししたいと思います。)

「外交:ベースは日本、相手は世界」
1. 進路:迷いに迷う。「生まれついての~」は極く一部。
2. 時代背景は今日と全く異なる。当時は、①成長、拡大、発展の時代、海外への関心、好奇心②試験→大企業、官庁で一生。今は不確実、流動化、大競争。  日中国交正常化(1972年)
3. 当時は国家公務員試験とは別のいわゆる外交官試験。相対化されてきたが求められるものはやはり違う。総合職(旧Ⅰ種)と専門職
4. 研修制度:海外留学、中国(復旦大学、中国文学)、米(ハーヴァード大学修士課程)その後、日本勤務⇔海外赴任の中でより責任あるポストへ  
  東京の外務省(本省)  約2300人  
  在外公館(大使館、領事館、国際機関代表部) 約3500人
5. 「外交」のベースはあくまで国内、国益:世論、政治、国会、ビジネス  cf.国際機関、国際団体
6. 「外交」は総合的:安全保障、経済から文化まで、cf.JICA, 国際交流基金
7. 華やかなものでなく(高級ワイン、タキシード?)、地道な努力の積み上げ→関係の構築。大使館の役割は教科書的には①情報収集②交渉③自国民保護、だがより広く。
8. 「自転車に乗って天安門」:1989年、天安門事件の現場で
9. 大使の仕事:香港、豪州、タイ
10. 英語の重要性:世界の共通語、英語を話す中国人>米国人
11. AppleもGoogleも外務省もいつどうなるかわからないが、「国」という組織が存続する限り「外交」は続く。泥棒、娼婦に次ぐ古い職業