☆29回生大原悦子(現姓磯村)さんの新著

フードバンクという挑戦  貧困と飽食のあいだで」

 
*帯のコメント
  
  『もったいない!』 
  「完璧でない」からと捨てられる食べ物。
  一方で、食べることに困っている人が大勢いる。
  両者をつなぐ活動(フードバンク)の最前線、アメリカと日本から。
 
*カバー裏のコメント
  
  「もったいない」から「ありがとう」へ。
  食べ物を無駄にしない活動で、困っている人は食費を、企業は廃棄コストを節約
  できる。
みんなが得する。新しい社会貢献の形。日本でも、始まった。
 
*「朝陽」森田編集長(7回生)の読後感
  
  「朝陽」54号/p20に著者の旧師・佐藤喜一先生が紹介文を載せられた楽しい
  エッセイ集「ローマの平日 イタリアの休日」に続くものですが、今度は一転して
  元新聞社勤務らしいシリアスなルポルタージュになっています。文章は記者特有
  のやや無個性なトーンながら歯切れよさが快い。
  優れた著作で、小生としては一般の個人読者にはもとより、特に食品・流通産業
  に従事する企業人多数に読んでもらいたいという感想を持ちました。読んでいくに
  つれて、この問題はNPO法人とボランティアの善意に依存するだけでいいのだろう
  か、という疑問が生ずるのを抑え切れませんでしたが、根源を正すことも大切だが、
  目の前の無駄と飢餓を解決していくこのフードバンクの活動は何としても根付かせ
  ていかなければならないという、著者の現実直視の姿勢に説得力を感じました。

  同窓生・同期生からの感想をうかがいたいものです。


2008.07.18岩波書店刊 192ページ 本体1900円+税