朝陽同窓会長就任のご挨拶

2023年7月1日

東京都立新宿高等学校 朝陽同窓会
会長 三上 彩子(18回)

 2023年度の総会で会長就任が決まった、18回生の三上彩子です。
私が入学した当時の新宿高校は男子校と言われていました。女は全体の4分の1、お客さんと言われた世代です。何事も男性が主導してくれるのに甘え、卒業してからもずっとそのようなスタンスでした。実は同窓会にとって大切な総会、懇親会などの出席も今回が初めてでした。

 そのスタンスが一変したのは、朝陽同窓会主催の創立百周年記念祝賀会の総合司会をお引き受けした時からです。残念ながらコロナ禍で中止となってしまいましたが、その会は、対談が2か所、音楽演奏など実演が4か所、3時間の大パーティでした。そうそうたる方々の出演や出席も予定していました。もはや私はお客さんではいられません。

 打ち合わせはコロナ禍で、すべてウェブ会議。演出の方やスタッフの方には一度もお目にかかっていませんが、画面を通してそのエネルギーが伝わってきました。プロに頼らず自分たちの手でこの大パーティを成功させるのだという強い意気ごみ、一つのことに向けて熱く突っ走る感じ、「わー新宿高校生だ」と思ったのです。
 にわかに高校時代にタイムスリップしました。学園祭での連日の舞台の練習、運動会の応援団、戸山戦、いろいろ思い出しました。 
 懐かしく、そしてこの熱気好きだなあと思ったのです。それが私にとって同窓会を身近に感じるきっかけとなりました。

 創立以来100年、さまざまなことが起きました。記念誌の『百年の歩み』を見ても時代に翻弄された学校生活が浮かび上がります。
 今年、卒業した生徒さんはコロナの大流行で、入学式も行えず登校もできないという学校生活のスタートでした。卒業式で答辞を読んだ男子生徒が、感極まって言葉を詰まらせる場面もありました。その場にいた私も胸が詰まり、口をきいたこともない後輩に心から頑張れという気持ちになったのです。

 時代が変われば人も変わります。六中の方々と私は違います。私たちと今の生徒さんも違います。でも思春期の大事な時期、この新宿の地で、部活、運動会、学園祭、戸山戦などの学校生活を経験し、同じ海で遠泳に挑戦し、同じ校歌をうたい…、これが百年も続いています。

 しかし、日本は今、少子化、経済の悪化などが大きな社会問題となっています。教育の現場も他人事ではありません。
 私たち同窓会は、新宿高校が元気でいるからつながっていけます。そう考えると、朝陽同窓会の役割はまず、熱い心を持った同窓生の親睦、そしてもう一つは『都立新宿高校の大応援団』であるということです。この二つの役割をしっかり念頭に置いて、皆さんとともに前に進んでいきたいと思います。