☆ 六中つんつん節       



       一、 僕は六中の五年生        胸に五つの金ボタン

       二、 私は第五の三年生        燃ゆる思いのセーラー服

       三、 二人を隔てる新宿の       町の繁華がうらめしい

       四、 夜毎夜毎に夢に見る       恋しあなたの面影を
 
       五、 あたしこの頃おそいのよ     いつものところで待っててね

       六、 二人で散歩の銀座道       月の光も淡いのよ

       七、 受験難関突破して         僕の頭にゃ白線帽

       八、 私は来年卒業よ          嫁入り支度に忙しい

       九、 君と木陰に休むとき        互いにうちとけあいながら

       十、 僕が大学出る頃にゃ       君を嫁とると約束し

      十一、 思えば長い六年間        二人の恋も実を結ぶ

      十二、 文金島田に裾模様        金らんどんすの帯しめて

      十三、 三三九度のさかづきを      いだだく君の美しさ

      十四、 新婚旅行の汽車の中      ふれあうひざのはずかしさ

      十五、 新婚旅行の初の日に      月の熱海を散歩する

      十六、 月もみかねて雲隠れ       寛一お宮も苦笑い

      十七、 楽しい旅行も無事おえて     社会の波にもまれけん

      十八、 会社に行っても気にかゝる    いとし君のあで姿

      十九、 いとしいとしと鳴く虫は      誰を思ふて鳴いたのか

      二十、 思い返せば十年前        僕は真面目な六中生

     二十一、 君も可憐な女学生        仲良く通ったあの頃を

     二十二、 思いで懐かし新宿の       今は夫婦の二人づれ

     二十三、 私このごろ変なのよ       若しかしたんじゃないかしら

     二十四、 若しもこの子が男なら      僕は断然六中さ

     二十五、 若しもこの子が女なら      私は断然第五です

     二十六、 十月十日の月終えて       可愛い坊やの誕生日

     二十七、 行く末長くいつまでも       二人の幸福続くよに